飲食店運営基礎知識 この数字だけは知っておこう!

飲食店運営に必要な数値や指標はいくつかあります。もし、

 

「一番重要な数字を1つだけ教えてください」

 

と聞かれた場合、私なら、損益分岐点売上高について、お伝えします。

 

損益分岐点売上高は、黒字と赤字になる分岐点の売上高です。意味は難しくないですが、特に飲食業の場合、計算方法は複雑になりがちです。それでも、飲食店運営において、自店がどれくらいの売上をあげれば黒字になるのかを把握しておくことは超重要なので、研修などでも時間を取ってお伝えしています。

 

損益分岐点売上高の計算方法は、

 

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1-変動費率)

 

です。

 

まず、変動費(変動費率)と固定費について説明すると、

変動費・・・売上に応じて変わる費用。変動費率は売上に対する変動費の割合。

固定費・・・売上の大小に関わらずかかる費用。

です。

 

変動費の代表的な例は売上原価、飲食店で言えば食材や飲料のコストです。あるお店で、売上が月に300万円の場合と500万円の場合では、売上原価も大きく異なります。一方、固定費の例である賃料に関しては、売上が月に300万円でも500万円でも変わらないはずです(売上に応じて賃料が変動する契約をしている場合を除く)。

 

具体的な数字で見てみると、

(単位:万円)

 

A店は、○月は売上が500万円あるので利益は140万円、△月の場合は売上が400万円で利益は70万円です。

変動費率は、

変動費150万 ÷ 売上500万 *100% =30%

となります(△月で計算しても30%となります)。

 

そして、A店の損益分岐点売上高は、

損益分岐点売上高 = 固定費210万 ÷ (1-変動費率30%) =300万

となります。

 

A店の場合は、売上が300万円を下回ると赤字になってしまうので、少なくとも黒字になるようにするには、300万円を売らなければならないという基準ができるわけです。

 

と、ここまで大分簡略化して説明しましたが、実際に計算するとなると、どれが変動費でどれが固定費か、迷うものも多くなります。次回以降で、固定費と変動費について詳しく説明します。

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