新規事業としての飲食業に進出する場合の注意点
最近、新規事業として飲食業を始めたい、始めたがうまくいかないということでの相談が増えてきています。
新型コロナも落ち着いているので、飲食業をこれから始めても営業自粛などの大きな影響をうけることはないだろうという判断だと思います。そのこと自体は驚きではないですが、異業種から飲食業に参入する場合、いくつか注意点があります。代表的なものを紹介します。
①飲食業は流行に左右されやすい
まず最初にお伝えしたいことは飲食業は流行に左右されやすいということです。テレビやネット、SNSで飲食店は話題になりやすいです。それを見た人が行ってみようとなって、テレビで取り上げられた翌日には大行列ということもよく聞く話です。でも、メディアを見てきたお客様の多くはリピート利用にはつながりません。これにはいくつかの要因があって、1度利用すれば満足して次の話題のお店へ流れてしまうことや、一気にお客様が増えて満足いくサービスが提供できずにもう来ないとなってしまうケースもあります。かつてのタピオカのように扱っている商品自体が話題になっただけということもあるでしょう。
オープン直後に大行列ができていたお店が、半年後にはピーク時間帯でも空席が目立ち、1年後には閉店、なんてケースも珍しくはありません。このように飲食業は流行に左右されやすい面があるので、流行にのってなるべく早く投資回収できるか、あるいは流行に左右されない業態やメニューに注力するなど、方向性を慎重に考える必要があります。
②飲食業は予想外の投資、ランニングコストがかかる
2つ目は飲食業は予想外の投資やランニングコストがかかるということです。厨房設備や客席の内装など投資額そのものが多くかかる、原材料や人件費、賃料などのランニングコストそのものがかかることもあるのですが、事業計画をしっかりと作っていても予想外の投資やコストがかかってしまうケースがあります。例えば、思っていたよりもドリンクの出数が多く製氷機が足りなくなったとか、集客のために急遽看板を追加設置することになったとか、スタッフがなかなか採用できない・採用してもすぐ辞めてしまうとかで求人広告を出し続けないといけなくなるとか、集客用の広告も費用をかけ続けないといけない、などなど。投資やランニングコストの項目が多岐に渡るので、特に飲食未経験の企業で自社の社員だけで検討した場合は、どうしても抜け漏れや予想外のコストが出てくるのは避けられないでしょう。
③飲食業はとにかく人材採用・育成・定着が難しい
最後に紹介するのは、人材についてです。特に、アルバイトやパートをあまり使わない業種からの進出の場合は留意が必要です。飲食業は人件費を考えるとアルバイトやパートが運営の中心となります。しかし、少子高齢化による人材不足や、新型コロナでの飲食業のアルバイトが思うように働けなかったこともあり、飲食業の求人への応募は少なくなっています。特に居酒屋など夜営業が中心の業態は、ワンオペで運営できる小型店舗を除き、ほぼどこも人員不足になっていると言っていいでしょう。採用したら戦力化するためのトレーニングプログラムやトレーナーの育成、、マニュアルなどツールの準備も必要となります。そして、せっかく採用して研修も終わり戦力になってきたと思ったらすぐ辞める、なんてことのないような定着化への工夫も必要となります。
このように、新規事業として飲食業を開始するために、あるいは開始したが上手くいってない場合は、色々検討する必要があります。飲食業はお客さんとして利用することが多いからか、何となく簡単に始められそうなイメージがありますが、経営するとなると非常に難しい業種です。これから始める、始めたけど上手くいかない場合は、飲食業に詳しい専門家を活用するほうがいいです。そこでコストをかけても、後々失うコストと比較したら、まだ安いとおもいますので、ぜひ検討してみてください。
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