ものづくり補助金vs省力化補助金 ― 採択率の差と経営者が今すぐ取るべき行動
経営者の皆さん、今回の補助金採択結果をご覧になりましたか?
発表された最新データを分析して、正直なところ私も驚きました。「ものづくり補助金」と「省力化補助金」の採択率の差は、執筆時点の最新版で2倍になっております(ものづくり補助金19次31.8%、省力化補助金一般形第2回60.9%)
この記事では、採択率の驚くべき差異、その理由、そして何より重要な「あなたの会社が今すぐ取るべき行動」について、データに基づいた具体的な戦略をお伝えします。設備投資をご検討中の経営者の方、過去に補助金申請で不採択になった経験をお持ちの方には特に価値ある情報になるはずです。この記事を最後まで読むことで、補助金活用の新たな視点と具体的なアクションプランが見えてくるでしょう。
目次
- 最新採択結果の衝撃的な数字
- なぜこれほどの差が生じたのか?
- 今、経営者がとるべき3つの戦略
- 具体的な採択パターンと投資例
- 補助金申請の重要な注意点
- 無料相談のご案内
- よくある質問(FAQ)
最新採択結果の衝撃的な数字
ものづくり補助金(第19次公募結果)の厳しい現実
- 応募件数:5,336件
- 採択件数:1,698件
- 採択率:31.8%(過去最低水準に近い厳しさ)
長年、中小企業の設備投資の強い味方だったものづくり補助金。しかし今回の結果は、約3社に1社しか採択されないという厳しい状況を示しています。これはつまり、従来通りの申請方法では通らなくなってきているということです。
省力化投資補助金(一般型)の驚異的な高採択率
- 応募件数:1,160件
- 採択件数:707件
- 採択率:60.9%(高水準)
一方、比較的新しい省力化補助金は、なんと約6割の企業が採択されています。ものづくり補助金の2倍以上の採択率です。この数字を見た時、私は「これは経営者にとって見逃せないチャンス」だと確信しました。
補助金選びは宝くじではありません。こうした採択率の差は、申請戦略を根本から見直すべき明確なシグナルなのです。
なぜこれほどの差が生じたのか?
採択率にこれほどの差が生じた理由を深く理解することで、あなたの会社の申請戦略も自ずと見えてくるはずです。データを分析し、審査現場の動向も踏まえて解説します。
ものづくり補助金が厳しくなった3つの理由
- 応募企業の爆発的増加による競争激化
知名度の高まりとともに、年々応募企業が増加。特に今回は前回より15%増加しているため、単純に競争が激しくなっています。 - 審査基準の厳格化
単なる「設備更新」「生産性向上」だけでは、もはや評価されなくなりました。審査官は「この投資で何が変わるのか」をより厳しく見るようになっています。 - 「新製品・新サービス開発」への革新性要求
特に注目すべきは、単なる「改善」ではなく「革新」が求められるようになったこと。競合他社との明確な差別化ポイントがないと採択されにくい傾向が顕著です。
ある機械部品メーカーは、「既存製品の生産効率アップ」という申請で不採択になりましたが、同じ設備投資を「新素材対応の次世代部品開発」という切り口で再申請したところ採択されました。表現の問題ではなく、本質的な革新性をどう示すかが鍵となっています。
省力化補助金が高採択率である3つの理由
- 制度開始間もなく、競争が限定的
まだ多くの経営者に認知されていない段階のため、応募企業数自体が少なく、競争が限定的です。しかし、この状況は長くは続かないでしょう。 - 人手不足という社会課題解決への政策的後押し
深刻化する人手不足問題に対し、政府は省力化投資を強く推進する方針。予算配分や審査基準にもその姿勢が明確に表れています。 - 明確な省力化効果を示せば採択されやすい構造
「投資によって何人分の労働力が削減できるか」という明確な数値で効果を示せるため、審査官にとって評価がしやすいという特徴があります。
ある建設会社では、「作業員3名→1名で済む自動測量システム」という明確な省力化効果を示した申請書で、初回申請にも関わらず採択されました。このように「誰が見ても分かる効果」を示せることが重要です。
今、経営者がとるべき3つの戦略
これらの最新データと傾向を踏まえ、今あなたの会社が検討すべき具体的な戦略を提案します。
1. 省力化補助金への戦略シフト
製造業・建設業・サービス業を問わず、人手不足に悩む企業は今すぐ省力化補助金の検討を始めるべきです。採択率68.5%という数字は、補助金の世界では異例の高さです。第3回公募の締め切りが8月末なので今からの準備は難しいですが、年度内にもう1回公募はあると考えられます。
なぜ今が最適なタイミングなのか?
制度が広く知られるにつれ、来年度以降は間違いなく応募企業が増加し、競争が激化します。実際、ものづくり補助金も制度開始初期は採択率60%以上ありましたが、認知度の高まりとともに年々厳しくなってきました。
省力化補助金も同じ道をたどる可能性が高いです。つまり、「今が最も採択されやすいタイミング」と言えるでしょう。
成功の鍵は何か?
省力化補助金で最も重要なのは「人手不足解消の具体的効果」「オーダーメイド」です。「この投資により、これまで○○の作業に○人×○時間かかっていたものが、○人×○時間に削減できる」という具体的数値と「既製品だけでなく、オーダーメイドの要素をいれた自社にマッチした投資を計画していること」を示せるかどうかが採択のカギとなります。
2. ものづくり補助金の申請品質の抜本的向上
もしものづくり補助金を選択するのであれば、従来の申請書レベルでは通用しないと考えるべきです。採択率31.8%という厳しい状況を克服するには、申請書の質を根本から見直す必要があります。
どう変えるべきか?
- 競合との差別化ポイントを明確に
同業他社がまだ取り組んでいない新技術・新素材・新プロセスなど、革新性を具体的に示す - 数値目標をより具体的に
「生産性30%向上」といった漠然とした表現ではなく、「○○工程の不良率を現在の10%から2%へ低減」など具体的に - 賃上げは絶対にする
申請基準をみたす賃上げではなく、加点要素を満たす賃上げを意識してください。
申請書作成の新しいアプローチ
私たちが最近の採択案件で実施している方法として、「ストーリーテリング型申請書」があります。単なる設備スペックや数値目標の羅列ではなく、「なぜその投資が必要なのか」「それによって何が変わるのか」を物語のように構成するアプローチです。
審査官は一日に何十件もの申請書を読みます。数値だけでなく、あなたの会社の挑戦や熱意が伝わる申請書は印象に残りやすいのです。
3. 投資額の最適化で採択率を高める
意外と知られていませんが、投資額によって採択率に差があります。最新データでは、以下の傾向が明らかになっています:
- ものづくり補助金:750万〜1,000万円帯が採択率58.1%と最も高い
- 省力化補助金:1,500万円前後が最頻価格帯
この傾向は偶然ではありません。審査側としては、「小さすぎる投資は効果が限定的」「大きすぎる投資はリスクが高い」と判断する傾向があるのです。
もちろん、無理に投資額を調整する必要はありませんが、もし投資規模に柔軟性があるなら、これらの金額帯を意識することで採択確率を高められる可能性があります。
具体的な採択パターンと投資例
2025年の最新採択事例から、特に成功率の高い投資パターンをご紹介します。
省力化補助金で採択されやすい投資パターン
- 物流・搬送ロボット(AGV/AMR)導入
工場内や倉庫内の搬送作業を自動化するロボット導入は、省力化効果が明確で採択率が非常に高いです。特に「これまで2名で行っていた搬送作業をAGV1台で無人化」のような明確な省人化効果を示せる案件は高評価。 - 画像認識AIを使った検査自動化
目視検査工程の自動化は、品質向上と人員削減の両方のメリットがあり、採択されやすい傾向にあります。特に食品業界や精密部品業界での採用例が多いです。 - 製造工程のDX化(CAD連携、生産管理統合)
設計データと生産管理システムを連携させ、データ入力や指示書作成などの間接業務を削減する投資も高い評価を得ています。特に「設計変更時の手戻りをなくす」といった具体的効果を示せると強みに。 - 介護・医療現場の省力化機器
人手不足が深刻な介護・医療分野での省力化投資も積極的に採択されています。例えば「介護スタッフ2名で行っていた移乗作業を1名で可能にする機器」などは高評価です。
ものづくり補助金で求められる革新性の具体例
- 競合他社にない新製品・新サービスの開発
業界の常識を覆すような新技術・新素材を活用した製品開発は高く評価されます。特に「従来比○○%の性能向上」など具体的な優位性を数値で示せるものが強い。 - 工程全体の最適化による生産性向上
単に一工程の自動化ではなく、複数工程を連携させた全体最適化の提案は、その革新性から高評価を得やすいです。 - デジタル技術を活用した業務プロセス改革
IoT・AI・クラウドなどを活用した新しい業務モデルの構築は、DX推進の観点から評価されやすい傾向にあります。
ある金属加工メーカーでは、「AI画像処理による傷検査と熟練工のノウハウをデジタル化した加工条件自動調整システムの統合」という提案で採択されました。単なる自動化ではなく、熟練技術のデジタル化という付加価値を明確に示した点が評価されたケースです。
補助金申請の重要な注意点
補助金の活用には、いくつかの重要な注意点があります。特に初めて申請される方は、以下の点に注意してください。
「後払い」という大原則を忘れずに
補助金は「後払い」が基本原則です。つまり、まず自社で設備投資を行い、その後に補助金が支給されるという流れになります。このため、事前の資金計画が極めて重要です。
具体的には:
- 設備購入資金の準備(自己資金または融資)
- 支払いから補助金受領までの期間(通常6ヶ月〜1年)のキャッシュフロー計画
- 補助金対象外経費(基本的に消費税、運搬費など)の把握
申請を検討される際は、この資金計画を十分に考慮することが重要です。場合によっては、補助金専用の融資制度(補助金交付までのつなぎ融資)の活用も検討する価値があります。
申請から交付までのスケジュールを理解する
採択されてからも、実際に補助金が振り込まれるまでには複数のステップがあります。全体のスケジュールを理解し、計画的に進めることが重要です。
一般的な流れ
- 申請書提出(公募期間内)
- 採択発表(通常、締切から1〜2ヶ月後)
- 交付申請書提出(採択後1ヶ月以内)
- 交付決定(申請から約1ヶ月)
- 設備発注・導入(交付決定後)
- 実績報告書提出(事業完了後30日以内)
- 確定検査(書類審査・現地調査)
- 補助金交付(確定検査から1〜2ヶ月後)
この全プロセスが終わるまで、早くても半年、通常は約1年かかると考えておくべきでしょう。
補助金の対象となる経費を正確に把握する
補助金申請の失敗原因の一つに「対象外経費を含めてしまった」というケースがあります。基本的なルールとして:
- 交付決定前に発注したものは対象外
- 消費税は対象外
- 汎用品(一般的なPC、事務機器など)は原則対象外
- 中古品は原則対象外
- 自社で内製したものは原則対象外
これらを事前に理解し、適格な経費計画を立てることが重要です。不明点があれば、早めに専門家に相談することをおすすめします。
無料相談のご案内
ここまで読んでいただき、「自社にとってどの補助金が最適か」「具体的にどう申請すればいいのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
当社では、この激変する補助金情勢の中で、中小企業の皆様に最適な申請戦略をご提案する無料相談を実施しています。これまで30件以上の補助金申請をサポートし、採択率90%以上という実績があります。
無料相談で提供する内容
- ✓ あなたの業界・規模に応じた最適な補助金選択
- ✓ 採択率を最大化する申請書作成戦略
- ✓ 投資効果を最大化する設備選定アドバイス
- ✓ 2025年度公募スケジュールに基づく申請計画
- ✓ 資金計画のアドバイス(つなぎ融資情報含む)
こんな経営者様におすすめです
- 設備投資を検討中だが、どの補助金が良いか分からない
- 過去に不採択になったが、再チャレンジしたい
- 人手不足で困っているが、自動化投資の効果が不明
- 補助金申請の手間を最小化しつつ、採択率を上げたい
- 資金計画も含めた総合的なアドバイスがほしい
行動しないリスク
このタイミングで動かないと:
- 省力化補助金の高採択率時期を逃してしまう可能性
- ものづくり補助金がさらに厳しくなる前の対策が遅れる
- 競合他社に設備投資で後れを取るリスク
- 業界の技術革新から取り残されるおそれ
お問い合わせ方法
今すぐ無料相談をご希望の方は、下記より「補助金相談希望」とお伝えください。
最新の採択データを見る限り、今が補助金活用の大きなチャンスです。特に省力化補助金は、これほど高い採択率が続くとは考えにくく、早期の検討をおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1: 省力化補助金とものづくり補助金、両方に同時申請することは可能ですか?
A: 基本的には同一の設備投資に対して複数の補助金を受けることはできません(補助金の重複受給は禁止されています)。ただし、異なる設備・異なる事業であれば、それぞれ別の補助金に申請することは可能です。具体的なケースについては、個別にご相談ください。
Q2: 過去にものづくり補助金で不採択になりました。再申請する場合、何を改善すべきですか?
A: 不採択の場合、審査のフィードバックを入手できることがあります。そのフィードバックを基に改善することが重要です。一般的には、以下の点を見直すことをおすすめします:
- 革新性・独自性をより明確に
- 市場ニーズの裏付けを強化
- 数値目標をより具体的に
- 実現可能性(技術面・資金面)の説明を充実
また、ものづくり補助金での不採択案件が省力化補助金に向いているケースも多いので、補助金の種類の見直しも検討する価値があります。
Q3: 申請書は自社で作成すべきか、専門家に支援を依頼すべきですか?
A: これは会社の状況や経験によります。初めての申請や、過去に不採択になったことがある場合は、専門家のサポートを受けることで採択率が大幅に向上する可能性があります。一方、社内に経験者がいる場合や、比較的シンプルな申請内容であれば自社作成も可能です。
Q4: 省力化補助金は小規模な投資でも採択されますか?
A: はい、省力化補助金は比較的小規模な投資(数百万円レベル)でも採択例があります。重要なのは「投資額の大きさ」ではなく「省力化効果の明確さ」です。例えば「500万円の投資で年間1,200時間の労働時間削減」のように、費用対効果が明確に示せる案件であれば、小規模でも十分採択可能性があります。
Q5: 補助金申請から交付までの期間はどのくらいですか?
A: 申請から実際に補助金が振り込まれるまでには、通常約8〜12ヶ月かかります。これは、審査期間(約1〜2ヶ月)、交付決定後の設備導入期間(約3〜6ヶ月)、実績報告後の確定検査期間(約1〜2ヶ月)、補助金交付までの事務処理期間(約1〜2ヶ月)を合わせた期間です。
このため、資金計画では少なくとも1年程度は自社でキャッシュフローを確保する必要があることを念頭に置いてください。
Q6: 審査で最も重視されるポイントは何ですか?
A: 補助金の種類によって異なりますが、一般的に以下のポイントが重視されます:
- ものづくり補助金:「技術面での革新性」「市場優位性(競合との差別化)」「経済的インパクト」
- 省力化補助金:「労働生産性向上の具体的数値」「人手不足解消効果」「費用対効果」
どちらの補助金も、「なぜその投資が必要か」「その投資によって何がどう変わるのか」を具体的に示すことが重要です。
最後に
最新の補助金採択データを見ると、特に省力化補助金については「今が申請の好機」と言えるでしょう。このチャンスを活かし、自社の競争力強化につながる設備投資を実現していただければ幸いです。
当社は「中小企業の成長を支える」という理念のもと、これからも最新の補助金情報と採択ノウハウを提供してまいります。まずは無料相談で、あなたの会社に最適な補助金戦略をご一緒に考えてみませんか?
あなたの会社の成長と競争力強化のために、ぜひこの機会をご活用ください。


