日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援について
先日、スモールM&Aに取組んでいる士業の勉強会に参加した際、日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援について話題になったので、説明しようと思います。
スモールM&Aの中でも事業承継の分野は注目度が高いです。以前のブログでも書きましたが、
・経営者の年齢が70歳を超えている中小企業
・後継者が決まっていない
・黒字
この3つの条件にあてはまる事業者が60万者以上あると言われております。何もしなければ、黒字なのにいずれは廃業にせざるを得ない状況であり、儲かっていてその企業ならではのノウハウや技術などを持っているのにもったいないということで、国としても事業承継を支援して事業を継続してほしいという想いがあり、様々な支援をしております。事業承継・引継ぎ補助金もその一環です。
スモールM&Aについては、マッチングサイトがいくつかあり、案件の情報もある程度見ることができます。このような状況で、日本政策金融公庫が事業承継マッチング支援をするということは、どういう意味があるのでしょうか?
日本政策金融公庫としては、
・事業承継を増やしたい(廃業を減らしたい)
・創業を増やしたい
・融資を増やしたい
この3つの目的を満たすことができるのが、事業承継による創業と融資を支援することなのです。
実際に、日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援のWEBサイトでは、スモールM&A向け融資の状況のデータが掲載されております。2019年のデータですが、約700件の事例を抽出・分析しているので、傾向をつかむのにはいいと思います。
上記のHPによると、
・設備資金(株式・営業権も含む)の融資金額は約60%が500万円以下であり、約80%が1000万円以下である。
・従業者規模別でみると、20人以下の小規模事業者が9割を占めている
・法人企業だけでなく個人事業への融資も実施しており、ほぼ1:1の割合である
となっており、スモールM&Aに関する融資実績が多いと言えます。
執筆時点でHPに掲載されている案件数は、全国で400件弱となっており、製造業と飲食店がそれぞれ60件ずつとなっています。案件数自体は他のマッチングサイトと比較すると少ないですが、スモールM&Aによる創業や融資を考えているのであれば、HPを見ておいて損はないと思います。ぜひ有効活用してください。
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