補助金申請書の基本的なストーリー:成功する申請のために必要な5つのステップ

補助金を申請する際、ただ申請書を作成するだけでは不十分です。成功するためには、補助金申請書がしっかりとしたストーリー性を持ち、計画的なアプローチを取ることが重要です。今回は、補助金申請書を作成するための基本的な流れを5つのステップに分けてご紹介します。ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金、小規模事業者持続化補助金、新しい補助金で話題となっている中小企業成長加速化補助金、その他都道府県など地方自治体の補助金など、多くの補助金の申請書に使える型なので、ぜひ活用してください。
1. 今後のビジョン、目標を検討する
補助金申請書の最初のステップは、事業のビジョンと目標を明確にすることです。補助金を申請する目的は何か、その目的を達成するためにどのような目標を設定するかを検討します。この目標が明確でないと、申請書全体が不明瞭になり、審査員に伝わりにくくなります。
- 例: 「今後5年間で売上高を30%増加させる」「新商品の開発を進め、販売網を拡大する」など、具体的な目標を設定します。
2.現状分析、強みと問題点を把握する
次に、自社の現状を正確に分析し、現時点で抱えている問題点を把握します。現状分析で重要なのは、自社の強みをしっかりと見つけ出し、それを活かした計画を立てることです。強みを明確にすることで、補助金申請の際に、自社が行おうとしている事業が必要かつ実行可能なものであることをアピールすることができます。
自社の強みを活かすことで、単なる課題解決にとどまらず、自社が持つ独自の価値を最大限に活用した成長戦略を描くことができます。例えば、優れた製品開発力や地域資源の活用、顧客との強固な関係性など、これらの強みを事業計画に織り込むことで、補助金申請書に説得力を持たせることができます。
- 例: 「自社の強みは地域の特産品を活かした製品開発能力にあるため、それを活かした新商品の開発を行う」「既存の顧客基盤を活用して、新しいサービスの導入を目指す」など、強みを活かした具体的なアクションを計画に盛り込みます。
ポイントは、補助金で申請する事業に使える強みと問題点をあげることです。強みを意識した現状分析を行うことで、事業が単なる問題解決にとどまらず、自社の成長に向けた重要な一歩であることを示すことができます。また、課題がはっきりしていないと、どのように補助金を活用すべきかが不明瞭になります。課題を特定し、その課題を解決するために補助金をどう活用するのかを示すことが重要です。これにより、補助金審査を通過するための重要なポイントがしっかりと押さえられます。
3. 数値計画を作成する
現状分析と目標設定が終わったら、次に数値計画を作成します。目標達成のためには、具体的な数値をもとに計画を立てることが必要です。この数値計画は、補助金申請において非常に重要な部分であり、実現可能性を示す根拠となります。
- 例: 「5年間で売上高を30%増加させるために、年間売上目標を3%ずつ上げていく」「製造コストを10%削減するための具体的な手段を導入する」など、数値に基づいた計画を示します。
4. 補助事業を実施する場合の課題を明確にする
次に、補助事業を実施する場合の課題を明確にします。事業計画を立てる際には、すでにある課題だけでなく、補助事業を行うことで新たに発生する可能性のある課題についても考慮することが重要です。これにより、実施可能性が高く、現実的な事業計画を作成することができます。
まず、現時点で抱えていて、補助事業でも抱えることになる課題を整理します。例えば、人員不足など、事業の進行にあたって必要な改善点を洗い出します。
次に、補助事業を実施することによって新たに発生する可能性のある課題を想定します。例えば、補助事業によって新しい設備が導入されることで、運用に関するトレーニングが必要となったり、品質管理の基準が厳格化される場合など、事業開始後に直面する可能性のある問題についてもあらかじめ計画に組み込みます。
これらの課題に対して、具体的な解決策を検討し、それを計画に反映させることが必要です。課題解決のためのリソースや体制、タイムラインを事前に明確にしておくことで、事業計画の実現性をより強くアピールすることができます。
例: 「新設備導入に伴い、スタッフの教育が必要であるため、研修プランを設けて段階的に運用を開始する」「新たに設ける品質管理基準に対応するための専任チームを編成する」など、事前に課題を把握し、具体的な解決策を計画に盛り込むことで、事業実施後のスムーズな運営を確保します。
これにより、事業がスムーズに実施できることを証明し、補助金を有効活用するための準備が整っていることを示すことができます。
5. アクションプランを設定する
最後に、課題を解決するためのアクションプランを設定します。このアクションプランでは、補助金をどのように活用して具体的な改善策を実行するのかを示します。アクションプランがしっかりしていれば、補助金の有効活用方法が明確になり、申請書が強力なものになります。
- 例: 「新しい設備を導入して生産ラインの効率化を図る」「スタッフの教育研修を行い、生産性向上を目指す」など、実行可能なアクションを具体的に示します。
まとめ
補助金申請書を作成する際には、単に数字や計画を並べるだけではなく、ビジョン、目標、現状分析、課題、アクションプランの一貫したストーリーを作成することが重要です。これらの要素をしっかりと盛り込むことで、申請書に説得力を持たせ、審査員に対して強い印象を与えることができます。
補助金申請を通じて、企業の成長を加速させるために、今回紹介した5つのステップを実行してみてください。
ただ、実際やってみると現状分析をどうしたらいいのかわからない、数値計画に落とし込めない、全体の整合性がとれているかわからない、などいろいろな障害が出てきます。専門家の力を借りたいという場合は、認定支援機関である当社代表にご相談ください。